これから住宅工事を検討している方の中でよく聞く言葉として、「いまどきの家はみんな何処も健康対策済みで安全なのでそんなに気にしてない。」というセリフをよく聞きます。
はたして本当にいまどきの新築住宅は安全になったのでしょうか。

私が検証するいまどきの健康住宅の傾向を次に列記してみました。

  1. ビニールクロスを使っています。その時点で20種類以上の化学物質が使われている。
    クロスのパテは通常「下地用」と「仕上げ用」があり、健康対策商品としては現在どこも開発している話は聞きません。
  2. 床材は、木に見えても塩ビか非塩ビ樹脂か樹脂塗装がほとんど。
    工務店の中には「うちは無垢にエコ塗料を使ってます。」と胸を張って言いますが、そもそも下地のFc0合板(現在最低濃度規格合板)でもまだまだ相当匂います。
    そのほか合板は屋根下地、家具や防水バルコニー下地、在来浴槽下地、外壁下地などに多用され、低予算のためホルマリン放散量の多いものが目立たないところなどに使用されているのを見かけます。
    その他に防水工事や一般ペンキ、枕木なども有害。コルクやコルクボンドはほとんど有害なものが多い。グラスウールやロックウールはいろいろなリスクがあり、フェノール系ホルマリン入りが大半です。
  3. ユニットタイプのバス・洗面・キッチンなど、低濃度な触れ込みのものでも実際測定してみると実際は違う。
    抗菌グッズが大流行し、水廻り商品はすべて抗菌剤入り商品しか見かけなくなりました。しかたなく我が家のトイレでは、直接おしりを触れないように便座にシートをしています。
  4. 接着剤や薬剤、有害物質に注意!
    造作家具・建具の小口に張る接着剤・節補修ねんどパテ・床下の束ボンド・根太ボンド・白蟻駆除剤・コンクリートから出る放射性元素のラドンや薬剤・地盤工事の際の六価クロム等の有害物質を使用している。
  5. 水道本管には内部に塩ビコーティングや昔のコールタールを使っている地区、給湯配管には発がん性物質が溶出するものが一般的。安全性が高いはずの銅管にもはんだ付け接続がよく使われています。
    水道配管は体内に直接入ってくるルートです。考えようによっては最も気を使わなければならないところですが、よく「浄水器は予算の関係で要りません。」という施主の方がいます。
    水洗金物(蛇口類)からは数十個の有害物質が溶出しています。特に温水系はそもそも基準が甘いため、大手でもデーターを採っていないところがあります。
    そのため給湯廻りでは上記のような傾向の確立が高く、給湯器の接続はほとんどがはんだ付けだそうです。「はんだ」は水銀、鉛、亜鉛、フラックス(化学合成ヤニ等)などの有害物質だらけ。このお湯で歯を磨いていませんか。
  6. 排水系(トイレ、キッチン、洗面、洗濯、雨水などの各配管)には、塩ビ製しか施工できない。
    役所指定の各桝(宅内でマンホールのフタがある穴の材質)が塩ビ製で、他の配管とは口径が合わないため接続できないからです。ですから家造りには塩ビは必需品となってしまいます。
    白蟻土壌処理と枕木(防虫防腐材)による土壌汚染。基礎のコンクリートと薬を使った給排水配管の水が水質悪化を招き、さらに浄化槽地区も気休め程度から75%くらいまでの除去率では、河川・土壌・海はどんどん悪化し、さらにそのほかの要因も手伝って水道の塩素は年々濃度を上げています。
  7. 「省エネでメンテナンス費がかからない」ととれる表現で、逆にメンテナンス費が結構かかる家。