1 年間のお約束でスタート

早いもので、1 年間のお約束でスタートしましたこの連載も今回で最終回になりました。
身近な “環境もんだい”にメス!とタイトルをつけることで、子育て環境にはさまざまな“環境もんだい”があることを使えたかったのでこんなタイトルにしたのでが、まだまだ伝えきれていないことだらけといっていいでしょう。

そんな中文字数も限られていますので触り程度ですがより多く幅広く、重要なことを伝える最終回としていきたいと思います。

地球環境に本当に優しいものとは

地球環境に本当に優しいものとは・・・世の情報で市民が踊らされているものにエコ環境商品があると思います。
再生紙のような安価なものから、太陽電池のように高価なものまであるわけですが、本当に地球環境に優しいこととは製造したときの使用エネルギー(※≒石油使用量≒地球環境負荷≒地球ダメージと言えます)と廃棄又は再利用又は再資源化などをする場合の使用エネルギーは※ にありますように石油使用量に匹敵します。
つまり、物の値段は製造時の石油を使ったコストに置き換えられますので300万円の車は300万円の石油エネルギーを使ったのと同じなのです。

例えば、Tメーカーの車はT社の下請け工場で部品を作る際、その原料や組立ロボット、組み立て班の通勤の電車などの乗り物、運搬費に関わるなど全ての工程で電気、ガス、重油、ガソリンなどの燃料で稼働したモノがT社に届き、T社も同様に工程があり本体の販売店までの納品コストが電気や原発を含むその元になっているものに石油があります。
ということはモノの値段は石油エネルギーの使用コストなのです。

しかしこれはまだ製造時点までのものなので、実際には太陽光発電のように設置工事コストや定期的に交換や修理が必要な場合のようにメンテナンスコスト、不要時の撤去、処分等に必要なコストは全てカウントしていなければなりません。
勧める側にとってその全ての都合の悪いコストを足した金額が≒石油エネルギーを使用した金額であり、地球環境のダメージも金額に比例するのです。

もう一つ例え話で白熱灯が100円で1年の寿命、蛍光灯が1000円で3年の寿命の場合、3倍蛍光灯が地球に優しいかというと、白熱灯は3年で 300円、廃棄時に 10円として 330円に対し、蛍光灯は製造時1000円、廃棄時に安定器の分別処分や電球の水銀の取出しなどで300円として合わせて1300円となります。
1時間に何円消費電力が安いとは比較しますが、製造時や運搬、処分時には多大にCO2が排出されるのに比較していないのはなぜでしょう。
こうやって計算していくと「エコ」と言われるものはいくつ残るのでしょうか。(材料・製造・性能・重量等により変化します)

原発の本当の恐怖

・・・それは原発利用から生み出るゴミのことです。
青森県の六ヶ所村で予定されるプルトニウムやウランを取り出した後に残る放射能レベルの高いゴミ処理の件ですが、この放射能廃棄物が人体に影響無いとされるまでに要する時間は以前1000 年程とされてきましたが、最近は原発推進派でも 3000 年以上は認めていますし、新聞記事などでも「高レベル放射性廃棄物がウラン燃料と同じレベルの放射能に戻るまで数千年、人間が触れても大丈夫になるには数万年以上かかるとされる。」とあるなど現代人は未来の子孫に対しとてつもない過ちを犯しているのではないだろうか?

そんなものに CO2 を出さないなどの宣伝を見ると腹立たしい感じがします。
仮に稼働時に出さないとしても製造時、稼働メンテ(工事等)、廃棄物処理保存のメンテには地下建設、人、装置、廃棄物運びに莫大なCO2 を出すことは確かだし、全国、世界に増加する原発はミサイル1発や大地震で第2のヒロシマ・ナガサキになる危険な場所だということを世界中で知ってもらい、電気や原発を増やさないで済む日本にできないでしょうか。

有害電磁波の影響

・・・最近IHや太陽光発電が盛んでガス関連企業などの危機感が強くなっていますが、言われるほど電気は安全なものなのでしょうか。
相談者の中に有害電磁波に敏感になってしまった電磁波過敏症の方やその傾向の方、その他、化学物質過敏症のうちの約3割はこの症状も併発しているという傾向がでています。
有害電磁波に長期的に被爆すると小児白血病や悪性リンパ腫、電磁波過敏症などになることがあります。

有害電磁波には「電場」「磁場」「マイクロ波」の主に3つの電磁波にリスクがあると言われていますが、被爆し易いものは身近で強い電磁波を長時間浴び続けるものです。
機器によって数値に違いがあるものの、避けたいものにはまずIH(コンロや炊飯器などに使われ数値が桁違いに高い傾向がある)、電気床暖房、電気カーペット・電気毛布、蛍光灯、換気扇、加湿器、電気ヒーターの配線ライン、ACアダプター、電子レンジ。(主に各機器使用時に発生します)

また、電信柱から供給される引込みケーブルが外壁&屋根に繋がっている電気引込みルートの壁・床にある机、ベッド、寝床などは危険です。
外では高圧鉄塔より怖いのは電信柱の変圧器(電柱に帽子のように乗っている灰色のもの)、電車の線路、携帯電話や無線などのアンテナ(特にマンションの最上階の方で上に設置された等)などがあります。

お子さんに与えるおもちゃにはコンセントや電池にかぎらずモーターで動くものは避けていただいたほうが良いですね。
有害電磁波対策としては「使わない」or「離れて使う」ことです。
厄介なのは蛍光灯などのケーブルルートですが、一般の方にはわかりづらいので皮肉なことですが白熱灯に変えると発生しなくなります。
蛍光灯は電磁波が2種類(電場・磁場)発生し水銀の問題もあるので照明は白熱灯か発光ダイオード(低コストな場合)が良いでしょう。

プラスチックと共存するには

プラスチックと共存するには・・・非塩ビ樹脂のキッチンラップが主流になりつつありますが、他 NPO の実験では塩ビ樹脂ラップは金魚が死んだとの実験結果記事を思い起こします。
出前やスーパーの生鮮品ラップは今だにギラギラして妙にゴムの様に伸びるラップを目にします。
この他に塩ビ系の樹脂は水道の本管のコーティング、宅内の水道管や給湯管の大半に使われ、缶詰や缶コーヒーなどのコーティングにもよく使われています。

さすがにメーカーも冬の時期は環境ホルモン(ビスフェノールA)の溶出を気にしたのか缶底の白いもの(PET:ポリエステル樹脂)のコーティングをしたものを出してきています。
他に哺乳瓶の吸い口やゴム手袋(塩ビ+可塑剤)で漬物やキムチを作らないようにしたいものです。
お弁当や水筒、ポット、浄水器の内部本体、注ぎ口(管)、配管(内部のパッキン:アスベストパッキン多し)、フライパンや炊飯器のコーティング(フッ素、テフロン樹脂等)などにさまざまなプラスチックが使われていますが、安全性が高い順番に PE(ポリエチレン:主に食品袋)PP(ポリプロピレン:主に食器・水筒・タッパー)PET(主にドリンク容器)、シリコン(吸い口・水路)、と言われています。

しかしプラスチックはさまざまな用途により耐熱や紫外線劣化、着色等の為の添加物を多く含むので可愛い色ではなく、透明色の方が安全です。
以前 PP 製ランチジャーのおかず容器の溶出を調べたところ、鉛 28.5(以下単位 ppm)カドミウム 0.04 、重金属は限度以下(適合)とだけあった。
試験条件が水及び4%酢酸で 60 度30 分とあったが弁当は朝詰めて昼食まで5~6時間はあり、味噌汁などが熱湯で注がれるので 100 度で塩分も加え6時間は掛け検査しないと、実際には数倍~十数倍の数値が出ている可能性が高い。
安全性の高い PP でも着色や耐熱、弾力等の添加剤により怖いプラスチックに変身するのです。

環境ホルモンの影響はアレルギーや癌に限らす、鉛・水銀・カドミウム・クロム等の重金属を幼少時から多く摂取することにより自閉症、アスペルガー症候群等の脳発達障害(脳管に重金属が溜まり、後天性が約 3/4 とされる事から)に及ぶことも想像でき、さまざまなリスクが考えられるところです。
対策は水道管は銅かステンレスか浄水器対応。コップはステンレスかガラス、鍋・やかん・フライパンはステンレスか鉄(錆は危険ではない。
むしろ鉄分が摂れるチャンス)炊飯器はステンレス真空保温調理器や土鍋がお勧めです。
どうしても水筒など色つきプラスチックを使う必要があるときは洗面器にたっぷりのお酢と塩を混ぜた熱湯に1晩程漬け込み最低2日は行いましょう。
お箸はウレタン塗装のものを避け、無垢(木)も薬剤未処理のものを選びましょう。(ナチュラルサポート鎌倉店に販売対応品あり)

自称「地震に強い建物」の盲点

・・・東海地震の発生確率が30年以内に87%以上、首都圏直下地震70%と発表されて3年ほど経ちます。
横浜近郊は両方の影響が考えられるわけですが、近年の新築住宅は競って耐震を謳い、どこに頼んでも一見頑丈そうに見えます。しかし 99%の新築住宅が危険と思われるのが「天井」です。

近年の中越地震と中越沖地震の被災地に政府の要請(被災住宅相談)と NPOのボランティアで震度6強の建物を見た際、コンビニや戸建てに天井材が落下しているのを見掛けました。
コンビニは比較的新しい建物だったが、天井のボード数枚を残し全て落下していました。
通常天井は柔らかいボード類にビス止めを引力に逆らって行うため地震には弱い。
しかも多くは天井内に水道、排水、ガス、電気配管などを通すルートになるのでその分も天井や天井を支える吊り木やボルトにさらに荷重が掛かるので、地震もないのに突然居間の天井が抜け落ち、60 代のご夫婦の奥さんの頭上をかすめ、間一髪セーフだったと建替えのお宅の打合せの際、ご主人からエピソードを聞いたことがあるくらい危険なのです。

対策としては天井を造らずに梁の上に2階の床を乗せる工法で造る方が床の強度も増し、火打ち(角から押された力に耐える材)より断然強くなりますので火打ち不要になります。(ナチュラルサポート対応住宅あり)
それでは1年間お読みいただき、何らかのお役に立てられたら幸いです。

<参考>ナチュラルサポート(NS)の家と一般「木造(エコ)」との比較説明
一般「木造(エコ) 」他社仕様 各項目の問題点 NS仕様「国産樹木の家」
木材:構造壁や下地床、野地に合板使用。梁・羽柄材:集成、薬剤処理使用材また素性が不明な材が主流。輸入材は薬剤漬けが粗 100% F★★★★を取得していれば基準に適合してしまう。実際の化学物質の濃度とは無関係。乳幼児には危険 木材料:合板は完全未使用。全て国産無垢の薬剤未使用材で製作。柱・梁・羽柄材サイズ&耐震・耐久性トップクラス 構造 150 年耐久性仕様
給水・給湯管に危険な塩ビ樹脂管99.9%使われている。ポリブデン、架橋ポリなどの樹脂管も環境ホルモンの溶出。排水管塩ビの接着剤で揮発性物質の放出危険度が最大になる。ノウハウがあるところはほとんど無いのが現状。 塩ビ管(VP 管類、HIVP:温水系管類)は環境ホルモンのビスフエノールAの溶出が認められている。また、温水は溶出危険度が給水の5倍~20倍以上。他に水栓や追炊き金物などの金属管部分に鉛や水銀、カドミウムの使用・検出 給水・給湯管は安全性&耐久性がNo1 のステンレス配管を標準化。排水管塩ビの糊もガムベース糊を使用。シングルレバー類は鉛軽減品を提案。追炊き金物は独自のノウハウで鉛・水銀・カドミウムを含む半田付け未使用品を提案。
家具・建具材等については、木チップ材やシナランバー材、貼物が大多数。薬剤処理をされる外国材も多い。接着剤もリスク大。 新建材、自然素材の多<に防腐・防虫・防カビ処理が使用。シナランバー家具・建具の木口には瞬間的接着剤を使うことが多くリスク大。 家具・建具材等はNPO山持ち理事から薬剤処理の国産無垢を使用。糊は食品添加物、塗装は無農薬のものを提案。身体に合わせ素材を決定
あおい。くじら・・・地球環境の負荷を勘察研究し、子ども(子孫)の身体の安全性を第一に考えた衣・食・住を研究しています。
あおい。くじら を母体とする「ナチュラルサポート」では安全性の高い家具(合板不使用、薬剤未使用の国産無垢材など)を販売。重度アレルギーにも対応した注文住宅の設計・施工請負や、シックハウス住宅の室内汚染度診断と報告・対策相談などを行っています。また自然食品・エコ雑貨なども取り扱っています。